ケーススタディ: Windows展開ソリューションのクラウド移行プロジェクト

プロジェクト背景

業界分野: 人材紹介業
実施時期: 2024年10月〜2025年2月
プロジェクト種別: Windowsイメージ展開ソリューションのクラウド移行

課題

オンプレミス環境での従来型Windows展開手法から、クラウドベースのモダンな展開方法への移行が求められていました。

  • Windows 11への対応障壁: オンプレミスのWindowsイメージ展開ソリューションであるMicrosoft Deployment Toolkit(MDT)がWindows 11を公式にサポートしていないため、最新OSへの移行が困難な状況でした。

  • 複雑な管理プロセス: MDT上のイメージのアップデートや管理が煩雑かつ複雑で、特別なスキルを持った担当者のみが対応可能な状態でした。

  • リソース効率の課題: 従来型の展開方法では、オンプレミスサーバーの維持管理に多くのリソースが必要であり、コスト削減と運用効率化が課題となっていました。

提供したソリューション

クラウドベースの最新WindowsデプロイメントソリューションであるWindows AutopilotをMDTの代替として導入しました。

主な実施内容

  1. Entra ID統合への移行
    従来の Active Directory Domain Joinから、クラウドベースのMicrosoft Entra ID joinへの移行を実施。これにより、デバイス管理の近代化と、クラウドファーストの認証環境を実現しました。

  2. 自動展開プロファイルの構築
    MDT上のタスクシーケンスから必要なカスタマイズ要素を抽出し、Intuneのデプロイメントプロファイルとして再構築。ポリシー適用やアプリケーション展開を自動化しました。

  3. ハイブリッド環境の構築
    Domain環境でのみ機能する既存サービスへのアクセスを維持するため、カスタムスクリプトを開発。また、移行期間中の互換性を確保するための専用中継サーバーをAzure上に実装しました。

成果

ビジネス面での成果

  • 運用効率の大幅向上: MDTからAutopilotへの移行により、イメージ展開と管理にかかる運用工数を約50%削減しました。

  • 可用性の向上: オンプレミスからクラウドベースのソリューションへ移行したことで、システム全体の可用性と信頼性が向上しました。

  • コスト削減: Windows Serverライセンスの削減とハードウェア投資の最適化により、ITインフラストラクチャコストを削減できました。

技術面での成果

  • 管理の簡素化: 直感的なIntune管理コンソールへの移行により、特別なスキルがなくても一般のIT担当者がデバイス展開プロセスを管理できるようになりました。

  • パスワード同期問題の解消: Entra ID joinに移行することで、アクティブディレクトリ上のパスワードと、長時間ネットワークに接続されていないコンピュータ間のパスワード同期問題が解消されました。

プロジェクト詳細

期間: 4ヶ月
使用技術: Microsoft Intune, Microsoft Entra ID, Windows Autopilot, Azure Virtual Machines
チーム構成: インフラサポート1名、Windows 11テスト対応担当2名

次のステップ

このプロジェクトの成功を基に、以下のような発展的な取り組みが考えられます:

  • ゼロタッチプロビジョニングの完全実装: ハードウェアベンダーと連携し、出荷前デバイス登録プロセスを確立することで、エンドユーザーへの配送からセットアップまでの時間をさらに短縮

  • 条件付きアクセスポリシーの強化: デバイスのコンプライアンス状態に基づいた動的なアクセス制御を実装し、セキュリティをさらに強化

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